料理の時短方法、間違えるとデメリット大きすぎます
料理のレシピをみると、とてもキャッチーな言葉が踊ってますね。
例えば、
・これだけで
・めちゃ簡単時短レシピ
・材料3つで
・○○分でできる
みたいな感じをよく目にします。
普段忙しい主婦や、1人暮らしの方、初心者の方など、とっても響く、魅力的な言葉ですね。
もし 簡単に楽にしたいのなら、レトルトやインスタントがおすすめです。
でも料理をして、何か作る時に、時短の方法や、簡単に楽にする方法を間違えると失うものが多いよ、という話しをします。
料理には、絶対時間と相対時間がある
料理をする時に、絶対にかかる時間と、頑張れば時短できることがあります。
例えば、お米を炊くというのは、絶対時間です。
火をつけて、水が沸騰し、お米が炊き上がる時間を短縮するのは難しいですね。
パスタを茹でる時間、煮物に火が通る時間なども、この絶対時間に相当します。
相対時間というのは、調理道具を出す、切る、洗うというような、作業的な時間です。
これらは、手の速さで、時短できます。
例えば、お米を炊く時、何が時短できるかというと、それはお米を計量し、洗ってセットするまでの時間です。
ここをダラダラやるのではなく、行動、動作を素早くやることによって時短できます。
フレンチ修行時代に、まず最初に体験したのが、この相対時間のスピードです。
シェフやスーシェフたちの動きが、とても早く入ったばっかりの頃、着いていけませんでした。
狭い厨房の中でも、駆け足が当たり前です。
切るという行為自体も、とてもスピードがあり、しかも仕事がとてもキレイです。
プロの現場では、このスピードと正確さ、美しさが要求されます。
このように、料理で時短をする場合は、動作を早くするというのがポイントです。
料理にスピードが加わると美味しくなる
食材たちのほとんどは、新鮮な状態でなるべく素早く調理するのが重要です。
野菜や、お肉、魚介類など食材たちは、だらだら処理するよりも、最低限の時間で下ごしらえをした方がいいですね。
それと脳科学的にも、スピードがある時は、とても集中力が上がるそうです。
集中力があがると、脳波がα波になります。
α波は脳波的には、とてもリラックスした状態なんですね。
なのでα波で料理をしていると、ストレスなどは感じません。
ただ淡々と料理をしているという感覚になります。
多くの、料理人たちは、厨房ではおそらくα波状態になってます。
集中力が上がると、ミスも少なくなり、思いが料理へ集中するわけですから、料理自体が美味しくなるんですね。
美味しい、いい料理を作るには、このストレスフリーの状態が、料理を作る上でとても重要です。
時短という思考の罠
なるべく簡単に楽に料理しよう、という思いがありきで調理をスタートするとどうなるのか、これまでのことを読んだらなんとなく見えてくるのではないでしょう。
思考が料理ではなく、自分に向いた状態になり、自分主体の考えが料理に反映されることになります。
そこで出来上がった料理は、なるべく簡単に楽な料理にしようとう思いが乗ります。
その思考の結果が、料理の端々に出ます。
もちろん食べても感じます。
そのような頑張って時短した料理を食べて、「美味しい!、また食べたい!」となれば結果オーライですね。
おそらくそのようにして出来た料理は、「まぁ、時短レシピだしこんなもんか」的な感想を持つのではないでしょうか。
感動も美味しさもない料理を食べて、「よしっ、また作ろう」とは思わないですね。
その結果さらに、時短レシピや簡単な料理を探し求めるというスパイラルに陥ります。
誰かに料理を食べてもらって、「うわぁ、めっちゃ美味しい!」とか、「この料理美味しいけどどうやって作ったの」とか「これ売れるよ!」などの言葉をいただいたらいかがですか?!
また美味しい料理を作ろう、という思考になりますね。
しかし「時短レシピだし、まぁこんなもんか」という状態だと、「よし、また美味しいの作ろう!」という思考にはなりません。
そしてさらに時短レシピや、簡単なレシピへと流れていき、その行く末は、料理がめんどうとか、いやになったりします。
この差って、先に行けば行くほど大きな差になり、料理のスキルも全く違ってきます。
これが時短レシピや、楽に簡単にしようと思考の罠です。
時短レシピ、行動と判断の罠
思考の罠の話しをしました。
ではこの思考が料理にどう反映されるのか、見てみましょう。
料理はここは外しては美味しくならない、という大切なポイントが存在します。
何かを茹でる時、ちゃんと沸騰したお湯で茹でるとか、食材をちゃと処理しないと仕上がった時に雑味や、嫌な風味になったりと、ここは外しちゃダメというものがあります。
時短レシピの中には、この外してはいけない部分まで踏み込んで、簡素化しようとするレシピが結構あります。
例えば時短レシピや、簡単レシピで必ず出てくると言っても過言ではない道具に、電子レンジがあります。
電子レンジ自体は否定しません、私もよく使います。
しかしこのレンジのことをよく理解してないと、料理を一撃で不味くする威力があります。
電子レンジは、出来上がったもの、例えばお弁当や、冷やご飯などを再度温めるのが得意なツールです。
コンビニ弁当などそうですね。
温めてもらうと、とっても美味しくいただくことができます。
しかしレンジは、調理器具として活用すると、使い方によっては、食材を不味いものにします。
例えば、じゃがいもを茹でるのではなく、レンジで火を通すと、レンジの原理上、細胞は破壊され、味にはっきり出ます。
同じように、手ごねで作ったハンバーグをフライパンで焼かずに、レンジで仕上げても同じ原理で味に影響します。
このようにして出来上がった料理を、美味しいと感じて食べれるのであれば、なんの問題もありません。
レンジ料理が、美味しいというか、何の違和感もなく食べてる人も知人にもいます。
私の周りの、料理人仲間は、100%レンジ料理は料理を不味くすると分かってます。
その上で、レンジを活用してます。
この差って大きいです。
具体例として、レンジを主に引き合いに出しましたが、他にも時短レシピの罠は存在します。
それは食材を代用したり、時短や簡単にするために入れないようなものを添加する方法です。
私はマカロンをよく作ります。
マカロンってスイーツの中では、結構難しいスイーツです。
でも簡単で失敗しないマカロンみたいなレシピがあったので、作ったことがあります。
仕上がったものは、とてもマカロンと呼べるようなものではなかったのを覚えてます。
そして結局スタンダードなマカロンレシピで、作るようになりました。
これって結果的に、時短になってるのでしょうか?!
料理を作る時って、味のイメージがあると思います。
でも仕上がった時に、そのイメージと程遠いものになってしまったらいかがですか。
あの味を食べたいと思ったら、その欲求はその味を食べて満たされます。
時短して、簡単に作った料理で妥協して食べたて、満足したとします。
果たして、その簡単にしたことや、時短できた時間分の費用対効果って得られるか疑問です。
劇的に簡単になって、劇的に時短になっているならまだしも、少しの手間が省けて、数分の時間の時短だったらいかがでしょうか。
もし本気で簡単に、時短したいなら、インスタントやレトルトがおすすめです。
今時のレトルトやインスタント食品は、本当に美味しいものがたくさんありますからね。
子供に、お母さんの味を嫌いにさせないで!
今から話すことは、実体験です。
この犠牲はあまりにも、大きいので話さずにはいられません。
レンジを使って楽に時短ができたとしても、その代償は大きいという話しです。
知人のお子さんは、お母さんが作るハンバーグが嫌いなんです。
そのお子さんは、ファミレスとかに行くと、結構な確率でハンバーグを注文するそうです。
子供にとって、お母さんの味は将来ソウルフードになります。
子供の頃食べたあの味また食べたいなぁ、となります。
でもお母さんの作った、ハンバーグが嫌いってなんかあまりにも悲しいです。
そのお母さんは、日頃忙しくしてらっしゃるる方です。
ハンバーグも、ちゃんとタネから作ります。
しかし、焼くのではく、レンジで火を通すとのことです。
ハンバーグも、レンジ調理するので、他のものもされているようです。
子供の舌は、雑味や渋味、苦味などにとても敏感です。
なのでレンジ調理で出る、独特の味を感じてしまうようです。
果たして、レンジでハンバーグに火を通して何分ぐらいの時短が出来たのでしょうか。
また洗い物も減ったのでしょうか、手間もあまりかからないのでしょうか。
その手間を省いて得たものは、子供がハンバーグが嫌いということです。
これって割に合うのかなぁ・・・と疑問に思ってしまいます。
このように簡単なレシピや、時短のレシピで得られる結果を考えて、実践した方が良さそうですね。
まとめ
こちらの記事では、決して電子レンジを批判しているわけではありません。
私も使ってます。
道具というものは、その性質をよく理解して使いこなすことが重要です。
文明の力は、使うべきです。
しかし、バカとハサミは使いようという言葉があります。
この言葉は、あらゆる道具に言えることです。
色々な道具を賢く使いこなすことが大切ですね。
食は一生付きまといます。
生命維持のために、私たちは他の命を頂いてます。
その他の命を、簡単に時短で扱うのではなく、感謝と敬意を持って成仏させることが大切です。
食を料理を楽しみましょう。