【マカロン 失敗しないんで!】マカロン 失敗しないための重要ポイント
マカロン の材料は、卵白、砂糖、アーモンドプードル。
この3つです。
とってもシンプルな材料だけど、お菓子の中でも難しさ中級、上級レベルです。
シンブルなものは、かっこよくて美しい!
それでいて、深い!
ということは、手強い!
まさに、マカロン はこの式に当てはまります。
とっても洗練されたお菓子の代表的な存在が、マカロン です。
洗練させる工程は、不要なものを削り、必要なものを残すこと。
いわば引き算です。
パスタでいえば、ペペロンチーノはとてもシンプルだけど、奥深いです。
文字でも、書道家によれば、漢数字の「一」が最も難しいらしい。
さて、今回はこの難しさマックスの、マカロン に真向かいます。
マカロン はシンプルさゆえに、全ての工程が勘所
洋菓子は、分量が決まれば出来たようなものでした。
しかし、それはひと昔前の話しになりました。
確かに、今でもこの分量が決まれば、ほぼ完成が当てはまるものもあります。
ジェノワーズ(スポンジ生地)しかり、カスタードプリンしかり、分量だけでは通用しない部分があります。
マカロン もまた、
「分量が決まれば、できたようなもの」
という概念が、全く通用しません。
むしろ、分量はある程度守れば、結構ラフな感じで作れます。
そして、スイーツの多くは、ここを抑えればバッチリという抑え所があります。
例えば、シュー生地だと、お湯とバターを溶かしたところに、粉をドバーッといれます。
それを、鍋を火に掛けながら、生地を木べらでコネコネします。
シュー生地の場合は、この工程がメチャメチャ大切です。
シューが膨らまない原因は、この工程が甘いことが多いです。
このように、ある程度、ここは絶対にしっかりやらないといけない工程が存在します。
では、マカロン はどの工程が重要かというと、それは
「全工程」
です。
よく、マカロナージュが大切とか、乾燥が大切とかいいます。
しかし、どの工程も仕上がりに影響します。
次の項では、各工程について話したいと思います。
マカロン の工程【混ぜる、こねる、乾燥させる、焼成させる】
マカロン 作りの工程は、ざっくり4つです。
1、混ぜる
2、こねる(マカロナージュ)
3、乾燥させる
4、焼成させる
です。
一つひとつ説明しますね。
1、混ぜるについて
混ぜるとは、メレンゲを作る工程です。
メレンゲを作る時、色々な方法があります。
ここでは、あくまで私のやり方で説明します。
私の場合は、卵白を冷凍保存しています。
カスタードクリームや、プリンを作った時に、出る卵白を冷凍保存しているからです。
マカロン を作るために、卵白を取ったりしません。
なので、冷凍卵白での説明になります。
冷凍卵白を半解凍します。
完全に解凍されていても、問題ありません。
これからが、ポイント1です。
先ず、砂糖を最初に全量入れます。
3回ぐらいに分けて入れても、問題ありません。
私の場合は、一気に砂糖を入れます。
分けて入れるのと、何が違うかと言うと、メレンゲの腰の強さです。
最初に入れた方が、しっかりとしたメレンゲになります。
これは、好みの問題かもしれません。
私の場合、強力なハンドミキサーがあるので、このやり方でできます。
しかし、ホイッパーなどでやる場合は、ちょっと大変かもしれません。
ちなみに、砂糖を入れるタイミングで、メレンゲの仕上がりはどうなるかというと、
1、最初に全部入れた場合・・・・強さは最高。メレンゲのボリュームが少ない。
2、最後に全部入れた場合・・・・強さはあまりない。ボリュームは多い。
3、途中で何度かに分けた場合・・強さ、ボリュームは1と2の中間ぐらい。
と言う感じです。
なので、3の途中で何度か分けて、入れるのがベターかもしれないですね。
私も、ちょいちょい3の作り方で作ったりします。
それと、冷たい卵白の方が、泡立ちがいいです。
なので、半解凍の卵白を使います。
もちろん、なければ普通に卵白を使っても問題ありません。
また、使用する道具は、油脂など油汚れは禁物です。
卵白に、油分が混入すると、一気に泡立ちが悪くなるからです。
上記の基本を抑えて、あとはひたすら泡立たせます。
当然ですが、このメレンゲ作りがコケると、修正は効きません。
何度か、メレンゲ作りを失敗したことがあります。
一番多い失敗は、メレンゲを作っている最中に、どうしても対応しなくてはならないことが発生した時です。
宅急便が来たとか、私でしか対応できないことがらが発生し、やむなくメレンゲ作りの手が止まってしまいます。
そうすると、ほぼ間違いなく、失敗します。
しっかりとして、メレンゲにならないということです。
なので、メレンゲを作る時は、一気に仕上げてくださいね。
2、こねる(マカロナージュ)について
メレンゲが出来ると、砂糖とアーモンドプードルを混ぜますね。
砂糖とアーモンドプードルは、あらかじめ振るって起きます。
メレンゲに混ぜるときは、一気に入れて問題ありません。
そして、ゴムベラなどで、サクッとムラなく混ぜて行きます。
混ざったら、マカロナージュします。
私は、そのままゴムベラでマカロナージュします。
問題は、このマカロナージュの状態です。
どう判断するか、とっても伝えにくいところです。
おそらくググると、
生地をヘラでスクって、帯状に連続で垂れてくる感じ
とか
生地が帯状で垂れて、そのあと10〜15秒ぐらいでなじむ感じ
とか
色々出てくると思います。
全部、正解だし、もっともです。
このマカロナージュの状態を伝えるのは、ホントむずいです。
では、私はどう判断しているかというと、それは、
・生地がヘラから、帯状で垂れる。
・垂れた生地が、他の生地と10〜15秒かけて、なじもうとする感じ。
・生地を丸く絞った時に、天板を下からトントン叩いて、平になるぐらい。
言葉にすると、こんな感じです。
実際に、絞り袋を使って、天板に丸く絞りますね。
絞り終わった後に、天板を下からトントン叩いて、絞り跡を消します。
マカロナージュが足りないと、絞った跡が消えません。
マカロナージュし過ぎると、ベターと広がります。
形成した後、天板をトントンと刺激を加えます。
その時に、絞り跡がなくなるぐらいが、ちょうどいいマカロナージュの状態といえます。
その状態を、絞り袋に入れる前に、判断します。
なんとなく、生地の垂れてくる感じ、垂れた後の状態で分かるようになります。
こればかりは、トライ&エラーで掴むしかないかもです。
3、乾燥させるについて
メレンゲをしっかり作り、マカロナージュもバッチリになっても、まだ安心できません。
この乾燥も、なかなかやっかいな工程です。
要は、表面をカパカパにさせればいいわけです。
しかし、湿度の高い日本では、自然乾燥では夏場でも、なかなか思った状態になりません。
私がやってる方法を、紹介しますね。
それは、
オーブンとドライヤーを使う方法です。
家庭用のオーブンということが前提です。
まず、オーブンを100度に予熱します。
予熱が終了したら、形成が終了した、マカロン をオーブンに入れます。
この時に、オーブンはキャンセルします。
もし、発酵モードがついていたら、40度か45度で1時間庫内に放置します。
発酵モードがなければ、100度に予熱した直後のオーブンに1時間ぐらい放置します。
家庭用のオーブンは、庫内も小さいので、一度扉を開けると、空気が一気に入れ替わります。
100度に熱したとしても、マカロン を入れた段階で、クールダウンします。
しかし、庫内のパーツ部分が温まっているので、扉を閉めると、良い加減の温度になってくれます。
何度もやってますが、マカロン が焼けたりしたことは、一度もありません。
1時間ぐらい、経ってもおそらく、マカロン の状態はかろうじて乾いたぐらいだと思います。
そのぐらい、乾燥したら次に、ドライヤーの登場です。
最初から、ドライヤーでやればいいのでは?!
と思ったからも知れません。
表面がまだ、生の状態だと、ドライヤーの風で変形してしまいます。
なので、一度オーブンである程度乾かす必要があるわけです。
ドライヤーは、状態や量にもよりますが、5〜10分ぐらいで、いい感じになるのではと思います。
いい感じとは、「マカロン 生地の表面を撫でられるぐらい」です。
よく、「指で触っても、生地が付かない感じ」
と言われますが、経験上しっかり乾燥させないと、焼成の時のひび割れにつながります。
この乾燥は、いわば工程の中では、作業をするというより、「待つ」という感じですね。
慌てたり、妥協すると、仕上がりに響きます。
私は、一晩乾燥させたこともあります。
うまく行きましたが、さすがに時間がかかり過ぎです。
そこで、編み出したのが、「オーブン100度と、ドライヤー」です。
ちょっと補足があります。
それは、マカロン 生地を丸く絞り、トントン叩き生地を馴染めせた後のことです。
生地がキレイな円になります。
でも、気泡が入っている場合があります。
これは、竹串や楊枝などで、しっかりツブしておかないと、焼き上がりに影響します。
きれいな、ツヤツヤした、まるで食品サンプルのようなマカロン にするためには、しっかり気泡を潰してくださいね。
4、焼成させるについて
オーブンで焼くわけですが、ご家庭のオーブンで微妙に違います。
よく何度で何分とありますが、経験上あまりあてになりません。
私が使っているオーブンだと、160℃で4~5分、130~140℃で10~15分ぐらいです。
私が使っているオーブンは、比較的パワーがある感触がします。
このように、とても感覚に頼る部分があります。
焼く工程の最初は、高温で焼きます。
余熱して、160℃ぐらいがいいのでは、という感じです。
最初の段階で、ピエが出るので、ピエが出たら温度を下げてます。
この焼き始めの4~5分で、ピエが出なければ失敗だと思っていいでしょう。
お店で売っているような、発色のいいキレイなマカロンを作ろうと思うと、結構ムズイです。
砂糖がタップリ入ってるので、焦げやすいからです。
温度を下げてじっくり焼くというか、乾燥させるような焼き方だとうまく発色するかもしれません。
マカロン に使う砂糖について
お菓子作り全般にいえますが、
「砂糖のバリエーションに、意味はない」
です。
どういうことかというと、結論から言うと、私は全て「上白糖」を使ってます。
マカロン 、プリン、カスタードクリーム、ジェノワーズなどなど全てです。
砂糖には、「粉糖」「グラニュー糖」「上白糖」など種類があります。
特に、お菓子作りでは「グラニュー糖」が多く使用されてますね。
グラニュー糖は、世界で広く使われている砂糖です。
逆に、上白糖は日本特有のものです。
なので、洋菓子に上白糖を使うという概念が、そもそもないのです。
なぜなら、西洋に上白糖が存在しないから、存在すら知らないということなんです。
元パティシエの視点から言っても、洋菓子に上白糖を使用するのは、全く問題ありません。
なので、マカロン に使う砂糖は、全て上白糖です。
ちなみに、粉糖は混ざりやすくするために、使うわけです。
上白糖を、粉糖がわりにする方法があります。
上白糖を、フードプロセッサーにかけ粒子を細かくすればいいです。
粉糖のようにはなりませんが、代用として充分使えます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
マカロン作りで大切なことは、ディテールの詰めにあります。
それゆえ、素人を寄せ付けない難しさがあります。
よくレシピで、初心者でも失敗しない・・・とか、これだけで絶対できる的なレシピを見かけます。
マカロンに関しては、ちょっとうさん臭く感じます。
なのでマカロンと向き合う時、覚悟と決意を持って臨んだ方がいいです。
そして、できたら意外と簡単だったと思うかもしれません。
私の場合は、最初にとてもうまく行きました。
「なんだ簡単じゃん」と思っていたら、失敗したら、成功したりを繰り替えしました。
そこで、落ち着いたのが、今回紹介した作り方になります。
そうそう、マカロンって冷凍保存ができます。
なので、大量に作って冷凍する。
そして、食べたい時に食べる!!
ということができます。
マカロン を作れるようになると、気兼ねなく思いっきり食べられます!
マカロン って買うと高いですからね。
今回、何度もマカロン を作って得た、成功のノウハウを話しました。
私の作り方が、合えば参考にしてください。
そして、「これってちょっと違うなぁ」と思った方もまた、参考にしてください。
色々なスイーツを作って感じることは、「マカロン は手強い」ということです。
どの工程も、決め所があります。
そしてどの工程も、中途半端だと仕上がりに影響します。